一人一人に必要なサービスを明らかにする「アセスメント」
アセスメントとは
アセスメントとは、和訳すると評価や査定といった言葉になります。環境アセスメントなどでも聞く言葉ですが、課題を分析するといった意味合いで使用されています。介護の分野で使用されているアセスメントも同様に、利用者の心身の状態、生活状況や家族からの要望といった情報からどのようなサービスが必要とされているのかを分析することを指します。
同じ介護度の利用者がいたとしても、生活環境や希望していることなどから一人一人必要とされるサービスは異なるものとなります。利用者の希望から外れることなく、利用者が求めるものを明らかにした状態で必要となるサービスを考えます。ケアマネの仕事で最も大切だと言う意見もあるほど、重要なプロセスの一つがアセスメントです。
要望の聞き取り
アセスメントはとても重要な役割を担っていますが、この重要な役割を行なっていくには多くの情報を元に考えることが必要です。そしてその情報を集めるのに大切なことが聞き取りです。利用者が今後どうなっていきたいのか、どのような方法でアプローチしたいか、そして家族の希望はどうなっているのかをよく聞き取ります。
この聞き取りではケアマネと利用者、利用者の家族の信頼関係が大きく影響します。質問の仕方や態度によっては相手が自らの希望を伝えきることなく、自分のやりたいこととは別の方向を向いてしまうこともあります。適切な情報を集めていくために具体性を持った回答を得ること、そして決めつけるような言い方や自分の意見を押し付けるような聞き方を避けるようにしましょう。
注意すべきポイント
アセスメントは利用者の人生に関わるとても大切なことだと認識し、自分だけで決めていいものではなく、とても責任がある仕事ということを忘れないようにしましょう。このような仕事であることから、利用者が求めるものに対して適切なアプローチができるように、多方面から情報収集をするというのがポイントになります。利用者自身はもちろんですが、その家族、医者や地域包括センターなどから情報を集めます。これらの情報を元に聞き取りを行うことで的外れな質問を避け、信頼関係を築くことにも役に立ちます。
例えば利用者があれをしたいと意見したことによって、それにまっすぐ進もうとしてしまうと、実際には家族からは認知症であるためそれは事実ではないという意見があるかもしれません。多くの意見から判断していくこともとても大切ということを理解しましょう。